Javaプログラムの構成と実行順序、コメントの書き方

プログラムの構成と実行順序、コメントの書き方【ゼロから始めるJavaの基礎~その8~】

無事にEclipseでのプログラムの実行は出来ましたでしょうか?コマンドプロンプトを使用するよりも圧倒的に手間が少なく、コードを書きやすいことも実感していただけたかな?と思います。

ここからは実際にJavaのコードを書けるようになるために、プログラムコードの構造を学んで行きましょう。

『{}』(中括弧:ちゅうかっこ)の役割

Javaのコードは『{}(中括弧)』という記号で一連の処理を集めたまとまり(ブロック)を持つ構成になっています。『{』で始まり『}』で終わります。ここで前回のコードをもう一度見てみましょう。(※1行目の記述についてはまだ知っておく必要はありませんので無視してしまって大丈夫です。)

まず一番大きいブロックはどこでしょうか?

見つかりましたか?

このコードで一番大きなブロックは3行目の末尾にある中括弧から11行目の中括弧で囲まれたブロックです。(※①で囲っている部分)

3行目の中括弧の前に『public class FirstEclipsePJ』と書かれていますね。

これはブロックの役割や名前を指定するための記述です。詳しい内容は後述しますので、ここでは「ブロックには役割や名前があり、原則として一番外側の大きなブロックを『クラス』と呼ぶ」と覚えておけば良いでしょう。

5行目と9行目にも中括弧があります。記号が同じなので紛らわしいですが、これは「ブロックの中には、さらにブロックを内包させることが出来る」という性質を利用したもので、3~11行目までの大きなブロックの中に5~9行目の小さなブロックが作られているという構造になっています。(※②で囲っている部分)

5行目の中括弧の前に記述されている呪文のようなものも、3行目と同じくブロックの役割や名前を指定するための記述です。

見た目は何やら文字がたくさん書かれていてとても複雑に見えますが、ここはお決まりの書き方です。また、無理して暗記する必要もありません。

ちなみに読み方は『パブリック スタティック ヴォイド メイン ストリング アーグス』です。読めないと受け入れにくいその気持ち、分かります(笑)

『args』というのは『arguments』という英単語の略で『引数』という意味です。引数については今後トピックの中で扱いますので、今は覚えなくても大丈夫です。

文の末尾には『;(セミコロン)』を記述する

先ほど、Javaのコードは一連の処理がブロックでまとめられているというお話をしました。今回は一連の処理、と言えるほどの記述は無いので逆に分かりづらかったかもしれませんね。前回のコードで実際の処理が記述されているのは6~9行目の部分です。(※③で囲った部分)

System.out.println("初めてのEclipseプロジェクト");
System.out.println("2番目の処理です");
System.out.println("3番目の処理です");

System.out.println(システム アウト プリント エルエヌ)』というのは「コンソール(※Eclipseで実行結果が表示された部分)に「System.out.println ("○○○")』の○○○の部分を出力する」という処理を行うための記述です。少し長いので複雑に感じるかもしれませんが、これもお決まりの構文なので今のところは難しく考えずに覚えてしまっても大丈夫です。

つまり、前回のプログラムは「コンソールに『 System.out.println (”○○○”)』の○○○の部分を表示する」という処理が3回書かれたコードだったということです。Javaではこういった、処理(PCへの命令)の記述の文末には『;(セミコロン)』を記述する。というルールがあります。

「処理の1文はここまでだよ!」と教えてあげるためのマーカーを置いているようなイメージでいいかと思います。『{}』と同じように『;』も記述を忘れるとプログラムが正常に動作しなくなりますので、注意しましょうね。

処理が実行される順番

すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、プログラムに記述した処理は記述されている順に上から下へ実行されます

前回の記事でプログラムを実行した際にも、処理が記述された順に上から文字列が出力されていましたね。

例外的に下から上へ戻ったり、処理が他のファイルへジャンプすることもありますが、基本的には上から下へ、そして『;』を目印として処理は一つずつ実行されるということを覚えておきましょう。

コメントとは何か

コードの中には『コメント』を書くことも出来ます。ここでいうコメントはプログラムの中に残しておくメモのようなものだと思って貰えればいいかなと思います。

プログラミングがある程度出来るようになると処理が複雑なコードや、文量の多いコードを書くこともあります。

翌日自分が書いたコードの続きを書こうとした時に「ここってどんな処理をしている所なんだっけ?」とか、「修正しようと思ってた場所があったけど、どこだったかな?」となる事がしばしばあります。

そんな時にメモとしてコメントを残しておくと混乱せずに済むというわけです。

また、現場に入ると自分が書いたコードは自分だけではない、もはや他人に近い方に見られることもあります。そんな時に1からコードを解読していると無駄に時間がかかってしまうので、「ここではこんな処理してますよ!」って案内をする目的でもコメントを使います。

コメントはプログラムが実行される際には無視されるようになっていますので、自分の好きなように使えますし、日本語ももちろんOKです。(※現場に入るとコメントの残し方にもルールがあることが多いです)

コメントの記述方法は次にあげる3種類ですが、最初は1番目だけ覚えておけば問題ありません

また、コメントにするための記述をすることで、コードを処理の対象外にすることを『コメントアウトする』と表現することも知っておいてください。

『//』(1行コメント)

文の先頭に『//』と記述することで、『//』の次の文字から、行の終わりまでをコメントとすることが出来ます

System.out.println("初めてのEclipseプロジェクト");
// この行を最後までコメントアウトします。System.out.println("2番目の処理です");
System.out.println("3番目の処理です"); // 処理の後ろにコメントをつけることもできます

『/**/』(複数行コメント)

複数行にまたがってコメントを記述したい場合に、複数行コメントを使用します。

『/*』の後から『*/』の前までに記述された部分がすべてコメントとして扱われます。

/* 
System.out.println("初めてのEclipseプロジェクト");
System.out.println("2番目の処理です");
System.out.println("3番目の処理です");
*/

『/** */』Javadocコメント

    『Javadoc』という文書を作成する際に使用するコメントです。開発現場ではこのコメントによって作成されるJavadocが正式な資料として、プログラム運用後にも保管される可能性があり、厳密な記述が求められます。現時点では言葉だけ知っている程度で問題ありません。

詳しい内容についてはこちらのページで解説をしていますので現場入りが決まったら一読しておくことをお勧めします。

Javaのコードの構造をご紹介しましたが、正直言っていきなりイメージをつかむとか、構造を理解するのはかなり難しい話だと思います。なので今はまだ理解できていなくても大丈夫です。

「だいたいこんな感じの枠組みなんだな~」とか、「プログラムは基本的に上から下に実行されるんだ」など大まかであっても、もやっとしていてもイメージが生まれていれば問題ありません。そのイメージを頭の片隅に置いておいてください。

トピックを読み進める中で、点として持っていたイメージ同士がつながって線になったり、突然いろいろな線が繋がってイメージがむくむく沸いてきたりします。

「プログラミングって難しいな…」と感じることも沢山出てくると思いますが、焦らずに点を増やしていけばいずれスッキリするときが訪れますので、あきらめずに継続することが大切だと思います。

次回からはより焦点を絞って具体的な処理内容や、コードの記述方法のご紹介に入っていきますのでお楽しみに。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!